中学生のピロリ除菌治療は妥当か?

佐賀県では、中学生を対象にピロリ菌の検査と除菌治療が始まっている。
この政策決定には、知事が胃がんだったことが大きく影響しているようだ。
若い時から自分の胃がんリスクを把握することは、自己管理のモチベーションになると思う。 ただし、HPVワクチンで多くの副作用例が出たことを考えると、10代前半で除菌治療を行うのは早すぎるのではないか。

佐賀県は、事業開始から1年たったのを機に、中間実績を明らかにした。同意が得られた中学3年生で検体を提出した6888人のうち、1次・2次検査とも陽性だった生徒は248人(3.60%)だった。陽性者のうち15歳になって除菌を行った178人で、一次除菌の結果が出ている98人のうち85人(86.7%)が除菌に成功した。

「除菌中に下痢と発熱で服薬中止したケースが1例あるが、感染性胃腸炎の可能性が示唆されている」と垣内氏は言う。

「ピロリ菌に感染する子どもが数%でもいれば、その子たちの将来のために何かしてあげたいと思うのは医師として当然のことだ」と付け加える。

ニュース追跡◎エビデンス乏しく副作用の懸念も広がる中学生のピロリ検診・除菌(日経メディカル)