先月、僕が尊敬する轟哲也さんが亡くなり、虚無感にとらわれてしまっていた。
歯科治療の連載は立ち止まる事ができないので、ギリギリのところで繋いできた。
FBを更新する気力もなく過ごしていたけれど、動き出さなければ、轟さんや、希望の会を引き継いだ妻の浩美さんに申し訳が立たない。
国が推奨する胃がん検診を毎年受け、要精検という通知で内視鏡検査に行きながら、轟さんはスキルス性胃がんを見落とされた。
人間の目による画像検査だから、見落しは避けられないと思う。
しかし、胃の粘膜が極めて胃がんのリスクが高い状態だったことは、消化器内科医ならば誰でも分かる状態だった。
それを轟さんに、なぜしっかり伝えなかったのか、当時の担当医に尋ねると「あまり脅しても精神的に辛くなるだろうから」、という理由を明かした。
そこに悪意は無かったのだろう。
しかし、優先すべきは患者の命だ。
今年度から自治体の胃がん検診に内視鏡検査が追加されたが、それだけでは不十分だし、発見精度の低いバリウム検査が大半を占める状況は変わらない。
ここから、闘いの第2章をスタートさせる。