昨年、私は小学館の週刊ポストで11回にわたり、『やってはいけない歯科治療』という連載をしていたが、『やってはいけない歯の治療』というタイトルの本が、角川書店から出版されて今日から店頭に並んでいる。
よーく見ると、一文字だけ違う。
もちろん、この本は私やポストの連載と全く関係がない。
著者は、連載で取材した歯科医の一人。
「抜かずに済む歯を抜いてインプラントにする歯科医がいる」という主張をポストでは紹介した。これ自体は事実だし、必要な情報だと判断したからだ。
しかし、この便乗商法の本は、いくつか内容に疑問がある。
例えば「歯周病は歯茎マッサージで治る」と本の帯に打ってある。歯周病専門医が見たら、呆れて溜息をつくか、間違った情報を出すなと怒るか、どちらかだろう。
歯周病治療の基本は、『SRP=スケーリング・ルートプレーニング)』なのは常識。歯茎マッサージで治ると信じてしまい、適切な治療をしなければ歯周病は進行してしまうだろう。
一文字だけ変えたタイトルといい、これって「やってはいけない」事だと思う。
まったく…