以下に添付した画像は、インプラントの上部構造を外した状態である。 寄生虫の卵のようにも見える白い粒の正体は、一体何であるかお分かりだろうか?
発端は、群馬県伊勢崎市の 植田歯科で、インプラント患者のメンテナンスを担当していた歯科衛生士の“気づき”だった。
「定期的メンテナンスを行っていた歯科衛生士から、歯肉(歯茎)の中に白い粒のようなものが見えると報告を受けました。 インプラント歯周炎の可能性を疑って、上部構造(※人工歯の部分はネジで脱着可能)を外したところ、ビッシリと白い粒が詰まっていたのです」
歯科医・植田晋矢氏が患者に尋ねたところ、「粒入りハミガキ剤」を使用していた。
植田氏は販売メーカーの担当者を呼んで問題を指摘した。
その結果、メーカーがとった対応策とは?
ここから先は、記事本文をお読みいただきたい。
追記:WEB配信がされなかった為、記事の抜粋を記載する。
ライオンの担当者を呼んで患者の映像を見せたが、あくまでレアケースだと弁明したという。そこで植田氏がYouTubeに映像をアップしたところ、全国の歯科医から同様の症例が報告された。
小学館・週刊ポスト 2017年4月14日号より
「ハミガキの顆粒が水に溶けず、歯周ポケットの隙間に入り込んで残るのは問題。インプラント患者だけではなく、歯周ポケットが深いシニア世代は使用を避けるべきでしょう」(植田氏)
粒入りハミガキ剤は複数の製品が販売されているが、植田氏によると、残留が目立つのは「デンタークリアMAX」だという。現在では同製品の裏面に注意喚起が記載された。
ミクロスクラブと名付けられた顆粒の原材料は「ゼオライトA」。取材に対してライオンは次のように回答を寄せた。
<ゼオライトAは。無機清掃助剤であり、水には溶けません。お客様からの健康被害のお申し出はありません>
実は、この問題はかなり以前から知人の歯科医から聞いて知っていた。
当時、所属していたニュース番組で報道しようとしたが、果たせなかった。
現在、私が週刊誌を中心に仕事をしているのは、テレビでは伝えるべき、当たり前のことができなくなってきたからだ。
一般の人々にとって必要な情報でさえも、企業からのクレームやBPOの浮世離れした判断を恐れて、及び腰になる。
反論される心配がない相手とみると、横並びで一斉に叩くのに、傲慢極まりない政権に対して批判すらしない。
ただし、タブーを恐れずに報道できる週刊誌では、センセーショナリズムが必然的に求められる。
いくら正論を述べても、意外性やスクープ性がなければ、誰も見向きもしないからだ。
その折り合いをつけるのは難しいが、「伝える」ことを最優先にすべきだと思っている。