「虫歯治療のレジンは割れやすい?」
先週の週刊ポストでは、「昔の常識」を頑迷に信じ込んでいる歯科医が、少なからず存在していることを書いた。
最も象徴的なのが「銀歯」。
歯を削る量を最小限に抑える「コンポジット・レジン修復」が、ようやく保険診療の現場に普及してきたが、それでも月間約180万本分の銀歯治療が行われている。
やはりというべきか、ある歯科医から編集部に対して、抗議が寄せられた。
気になったのは、次のような誤解をしている点だ。
「ある程度大きな虫歯のケースでは、レジンは使えない」
「銀歯と有意差ないとかありえない」
「レジンなどすぐ割れてしまう」
このような理由を挙げて、「ミスリードが多いので、訂正すべき」と要求されていた。
実は、この人のようにご自分の臨床経験から、「レジンはすぐ割れる」と本気で思い込んでいる歯科医は少なくない。
こうした誤解が生まれる理由について、「レジン修復」のセミナーで講師を務めている歯科医が、意外なことを教えてくれたので、動画にまとめてみた。
記事の訂正要求には、もちろん応じる考えはない。
「銀歯とレジン」の耐久性については、長崎大学が、メタアナリシスの手法によって有意差がないことを証明している。