【いっぽ】緩和ケアで生き抜いた3人の男たちと家族の物語

今日9月16日発売の週刊ポストに、緩和ケアをテーマにした特集記事を書きました。
これは三年越しで取材している、緩和ケア診療所いっぽの密着ドキュメンタリーの予告版として発表したものです。

完治の可能性が低いステージ4のがん患者にとって、抗がん剤治療は、命を大きく左右する大きな問題です。
治療を受けるか否か、どこまで継続するか中止するか、
自己決定権が尊重される以上、その結果は自身が引き受けるしかありません。
2014年から取材を開始した、群馬県高崎市の緩和ケア診療所いっぽでは、がん患者の心と身体の両方を、医師と看護師がチームで支えています。

訪問診療の様子。自宅では、外来とは違った患者の様子を知ることができる。(C)M.IWASAWA

これまで100人を越す患者や家族、医療関係者を取材してきましたが、今回は週刊ポストということで、3人の男たちの生き方、それを支えた家族の物語を中心に、緩和ケアの役割、使い方をお伝えしています。
完治が望めない段階まで、がんが進行した時、それぞれの多様な価値観、経済事情、人間関係、仕事などに合った選択があるはずです。

緩和ケア診療所いっぽ・理事長 小笠原一夫 医師。麻酔科医として、多くの患者の痛みと向き合ってきた。(C)M.IWASAWA

それは必ずしも標準治療だけが正解ではないし、緩和ケアという選択は、決して逃げでも負けでもなく、命の残り時間と向き合った勇気ある決断であると、僕は思います。
そもそも、緩和ケア自体がよく知られていないし、誤解も多く残っている医療です。
「積極的治療をしないなら、一体何をするの?」等の疑問を抱いた方は、こちらの記事をご覧ください。

(取材時に、いっぽの所属だった萬田緑平医師は、今年独立して、前橋市内で萬田診療所を開設しました)