「抜歯ドミノ」を防ぐために知るべきこと
「どのように治療が進んでいくのか、詳しい説明がありませんでした。いつ治療が終わるのかも分からない。だから費用の総額も見通しが立たないまま、治療を受けていたのです」 以前、このような体験をした編集者が、提案してくれた企画がある。週刊ポスト6/28号に掲載された、抜歯後の各治療をフローチャートにまとめた特集だ。 基本的な3つの選択肢「ブリッジ」「入れ歯」「インプラント」に、「 […]
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「どのように治療が進んでいくのか、詳しい説明がありませんでした。いつ治療が終わるのかも分からない。だから費用の総額も見通しが立たないまま、治療を受けていたのです」 以前、このような体験をした編集者が、提案してくれた企画がある。週刊ポスト6/28号に掲載された、抜歯後の各治療をフローチャートにまとめた特集だ。 基本的な3つの選択肢「ブリッジ」「入れ歯」「インプラント」に、「 […]
売られた喧嘩は必ず買うことにしている。喧嘩とは、もちろん殴り合いではない。主にネット上で行われている、論理的ではない批判、誹謗中傷、言いがかりの類を指す。私の報道は、既存の医療制度や利権などについて、問題提起するテーマが多い。だから、様々な反発が起きるのは必然であり、批判や議論が交わされるのは健全なことだと考えている。特に、この数年取り組んでいる歯科治療の分野は、完全な正解がな […]
医療現場では、予測不可能な事態が起きる。だから判断ミスをした場合に、刑事事件で裁くことは妥当ではないという意見は根強い。ヒューマンエラーを100%なくすことはできないし、刑事事件として罪に問われることによって事実が隠蔽され、かえって再発防止策を講じることが難しくなると考えられているからだ。日常業務の判断ミスが、即刑事罰に問われるとなると、心理的なプレッシャーが大きく、現場が萎縮 […]
受験シーズンも終盤に入ったが、今年度も歯科大の偏差値は低空飛行だ。今週発売のPRESIDENT「歯医者の裏側」に掲載されている、歯科大・歯学部の偏差値ランキングによると、最も低い「37.5」となったのが私立で4校もある。医療者の学力レベルとしては、問題のある数字だ。 第112回 歯科医師国家試験の合格発表について <厚生労働省 3/18発表> 10年ほど前から、偏差値が低い歯科 […]
歯科治療を大きく取り上げた、PRESIDENT・2月25日発売号。経済誌らしく、データ分析を基に歯科治療の現状と課題を伝えている。私が協力させていただいたのは、「歯医者に聞いた 受けたい治療、受けたくない治療」のコーナーと「コラム3・ルポ潜入」。 編集部スタッフにインタビューを受けた時、こんなことがあった。「CMの露出度が高い歯科医、クリニックについては、基本的に敬遠すべき」、 […]
日本の歯科業界が隠してきた「タブー」の一つに「学校の歯科検診」がある。検診で見つかった初期虫歯を見つけると、歯科医は治療勧告書を子供たちに渡す。これによって「歯を削って銀歯にする」治療が、半ば強制的に行われていた。従わない保護者は、ネグレクト(育児放棄)とみなされてしまう。 しかし、初期虫歯は正しい口腔ケア(歯磨き等)と再石灰化によって、修復されることが分かっていた。一度、歯を […]
「虫歯治療のレジンは割れやすい?」 先週の週刊ポストでは、「昔の常識」を頑迷に信じ込んでいる歯科医が、少なからず存在していることを書いた。最も象徴的なのが「銀歯」。歯を削る量を最小限に抑える「コンポジット・レジン修復」が、ようやく保険診療の現場に普及してきたが、それでも月間約180万本分の銀歯治療が行われている。 やはりというべきか、ある歯科医から編集部に対して、抗議が寄せられ […]
WebのNEWSポストセブンに、歯周病の再生治療に関する記事の抜粋が配信された。重度の歯周炎に新薬リグロス登場、手術で救える可能性も(NEWSポストセブン) 歯科専門誌は、歯周病の再生治療薬「リグロス」について特集を組んで、高い効果が出ている症例を中心に紹介している。歯科医たちのコメントの大半は高評価であり、保険適用なので患者の費用負担が軽く、これから普及が進むだろう。「リグロ […]
時代遅れな銀歯治療、先端的な「レジン治療」が日本で進まぬ理由(女性セブン1月17日・24日号) 女性セブンの新年号に掲載されている「海外ではやっていない日本の治療」。銀歯治療について、私がコメントした全文がウェブ版で配信されました。よろしければご一読下さい。 虫歯の治療では、失われた歯の部分が小さい場合は部分的に「銀歯」を嵌め込む「インレー」、欠損部分が大きい場合はすっぽり被せ […]
「あなたは、この地区の歯科医師会や歯科衛生士会に関係するクリニックで、もう働けないことになりました。今日限りで、ここも辞めてもらいます」 勤務を終えたばかりの歯科衛生士の女性を呼びつけ、クリニックの院長は唐突にこのような通告をした。他のクリニックで新たに仕事をする時は、現在診ている患者を連れていく事は許さないと、付け加えたという。 女性は、パートタイムでこのクリニックに7年間も […]
ご老人の象徴のようなイメージを、入れ歯に抱く人も多い。 かくいう私も「入れ歯だけにはなりたくない」と思っていたが、映画「万引き家族」で、あの樹木希林さんが、入れ歯を外して演技したカットを見て、考えが変わった。 歯がないより、入れ歯を使った方が、外見上も健康面でも絶対に良い。 ただし、「入れ歯」にも、歯科業界が抱える歪みが反映されている。 「保険の入れ […]
無責任な1回目のレビュー 新刊本を出版すると、取材先やメディア関係者に、お礼と本の紹介のお願いを兼ねて、「献本」するのが慣例だ。 今年5月30日に発刊となった、拙著「やってはいけない歯科治療」(※以下、本書)は、取材にご協力して下さった歯科関係者、新聞社、雑誌、テレビ、ウェブメディアの関係者に、版元の小学館編集部から送らせていただいた。 献本先に選んだ一人が、歯科医で実業家の […]
小学館新書として上梓した拙著が、版を重ねることができました。この場を借りて、お礼を申し上げます。また、本日発売の「週刊東洋経済」の新刊新書コーナーでもご紹介していただきました。 私としては4冊目にして、初の重版となったわけですが、無邪気に喜ぶことはできない心境です。 〝歯科業界に最も嫌われているジャーナリストが「歯医者のタブー」すべて書く!〟 拙著の帯には、こう記されています。 […]
新書「やってはいけない歯科治療」のスピンオフ企画・番外編は、インターネットを使った歯医者選びに待ち受ける「罠」について、書かせていただいた。 「患者の意向も聞かず、勝手に治療を進められた」「説明を求めたら、歯医者が露骨に不機嫌になった」「何度通っても症状が改善せず、結局は抜歯された」 歯医者通いで悩む中高年世代にとっての「あるある話」、患者の対応策としては、せいぜい歯医者を変え […]
新書「やってはいけない歯科治療」のスピンオフ企画として、短期集中連載の最終回は、私としては自身の不覚と向き合う内容です。 歯医者のタブー<モラルなき歯医者たち>[週刊ポスト2018.6.29号]・学会が明確に否定したホメオパシー治療を行う歯科医の存在・歯科医が「ガンが消えるサプリ」を広告していた珍事に批判 現在、歯科医の一部には、「スピリチュアル」もしくは「オカルト」的な治療を […]
新書「やってはいけない歯科治療」のスピンオフ企画、第二回は「歯周病で歯を失う本当の理由」。歯周病は、細菌の感染で歯肉に炎症が起きて、歯を支えている〝骨が溶ける〟感染症です。進行すると、最悪の場合は抜歯しなければなりません。怖い歯周病ですが、基本治療は実にシンプル。歯周ポケット内に潜む細菌(バイオフィルム)の除去と、患者自身の口腔ケアです。それなのに、歯周病が日本人の抜歯原因・第 […]
5月30日から書店に並んでいる拙著「やってはいけない歯科治療」と連動させた記事を書きました。今回のテーマは、日本人の抜歯原因・第3位の「歯根破折」。レントゲン画像をご覧いただくと、歯根が「縦」方向に割れているのが分かると思います。大半の歯科医は即座に「抜歯」を勧めるケースです。 50年以上も「歯根破折」の治療を研究している、歯科医・眞坂信夫氏によると、主な原因は「メタルコア&ポ […]
5月28日発売の週刊ポストで、短期集中連載をスタートした。これは、今月30日出版の「新書版・やってはいけない歯科治療」と連動させたスピンオフ企画である。 診療室で目の当たりにしたのは、真っ二つに割った「銀歯」の下で、進行していた虫歯だった。「一生もの」と言われて高額な治療費を払ったインプラントが、「周囲炎」となり、撤去せざるをない状況が、世界的な問題になっている。根管治療(神経 […]
18日、富士通が主催するイベントで、「予防歯科のカリスマ」と呼ばれる人が登壇した。 NHK「プロフェッショナル」や、テレ東の「カンブリア宮殿」、「未来世紀ジパング」で紹介されたので、歯科業界だけでなく、一般にも高い知名度を持つ方だ。 日本は、虫歯の患者数が激減する一方で、歯医者をどんどん増やした結果、〝歯科医院過剰時代〟に入っている。 こうした中で、いま歯科業界の関心を集めてい […]
まる二年間かけて取材した歯科治療の本が、ようやく一区切りつきました!当初は、週刊ポストで11回にわたって連載したものをまとめる企画でしたが、締切に追われて取材が不十分だったところもあり、最初から調べ直すことに。連載タイトルをパクった本が出たりするなど、ハプニングもありましたが、多くの方々のご厚意によって、様々な歯科治療の現場をこの目で見ることができました。この場を借りて、心から […]