新薬には注意が必要!歯周病治療薬「リグロス」に懸念する歯科医も

WebのNEWSポストセブンに、歯周病の再生治療に関する記事の抜粋が配信された。重度の歯周炎に新薬リグロス登場、手術で救える可能性も(NEWSポストセブン) 歯科専門誌は、歯周病の再生治療薬「リグロス」について特集を組んで、高い効果が出ている症例を中心に紹介している。歯科医たちのコメントの大半は高評価であり、保険適用なので患者の費用負担が軽く、これから普及が進むだろう。「リグロ […]

「マネーデータべース 製薬会社と医師」の衝撃

2019年、各製薬会社から医師に渡されたカネが、誰でも簡単に分かるようになった。これを可能にしたのが、調査報道を行うNGO・ワセダクロニクルと医療ガバナンス研究所が、膨大な情報を基に作成した「マネーデータベース」である。今月15日に無料で公開され、2日目で45万ビューを記録。医療現場にも大きな衝撃を与えている。私の元には、がん患者の方々から問い合わせが相次いだ。主治医や知人の医 […]

がんが消える人参ジュースの真相とは?!

「岸田徹がズバリ聞く 若尾 文彦先生・総集編」動画をYoutubeに公開しました。「がんが消えた」という食事の本が、書店にたくさん並んでいます。医師や料理家が、自身のがんを人参ジュースや野菜スープで「消した」という体験談もあり、悩める患者や家族の心を鷲掴み。そんな簡単な方法で手強いがんが治るはずがない、と半信半疑ながらも、どこかで期待してしまう人は少なくありません。果たして、そ […]

ミニ講演会のお知らせ

1月27日(日)午後2時~4時、東京・水道橋にある梨の木カフェで開催される「草の根歯科患者塾」で、講師をつとめさせていただくことになりました。 小学館新書「やってはいけない歯科治療」の出版にあたり、様々な現場を取材してきました。率直に言うと、誠実な診療をしている歯科医と、そうではない歯科医が入り乱れており、患者が見分けることは非常に困難です。 また、インターネットで歯科医院を選 […]

銀歯治療を続ける理由は、果たしてあるのか?

時代遅れな銀歯治療、先端的な「レジン治療」が日本で進まぬ理由(女性セブン1月17日・24日号) 女性セブンの新年号に掲載されている「海外ではやっていない日本の治療」。銀歯治療について、私がコメントした全文がウェブ版で配信されました。よろしければご一読下さい。 虫歯の治療では、失われた歯の部分が小さい場合は部分的に「銀歯」を嵌め込む「インレー」、欠損部分が大きい場合はすっぽり被せ […]

【2019年、仕事始め】情熱の歯科医・村岡秀明先生の取材

最初の取材と報道のテーマは、歯科治療でスタートした。 5日、入れ歯治療の指導者として著名な村岡秀明先生を訪ねて、インタビューをさせていただいた。村岡先生のクリニックは、最寄りの駅からバスを乗り継いだ住宅街にある。全国的な知名度でありながら、地域に根ざした医療を実践していることがうかがわれる。 村岡先生は入れ歯の研究のため、なんと自分の健康な歯を次々と抜いてしまったという、筋金入 […]

グリーンルーペ・プロジェクト

「免疫細胞療法は、全然効果はない」「高い治療費を自費で払う自由診療は〝危ない〟」「日本は保険診療で良い医療が、必ず受けられる」 今月公開された動画インタビューで、国立がん研究センター(以下、国がん)・中央病院副院長の藤原康弘医師は、こう断言した。がん治療の第一線に立ち、厚労省関連の要職にある人が、「免疫細胞療法」を明確に否定したのは初めてのことだろう。インタビュアーは、がん保険 […]

写真家・幡野広志さん

27日(木) 午後8時00分から、写真家・幡野広志さんのドキュメンタリーが、EテレでOAされる。ハートネットTV 「がんになって分かったこと〜写真家 幡野広志 35歳」 彼はブログ「死ぬかもしれないから、言っておきたいこと」の中で、現在、肺炎を起こして入院中であることを明かしている。担当医からは、このまま死ぬかもしれない旨を告げられ、心臓マッサージも人工呼吸器も拒否したらしい。 […]

「医療のネット広告規制」に魂はあるか

審査件数1位の「歯科」、刑事罰の適用はゼロ 「ステージ4で完治を目指す」「余命1ヶ月からの生還」‥‥巧みなセールストークで、がん患者の心理を翻弄し、科学的に有効性が証明されていない「免疫細胞療法」で、高額な治療費をとる。あるいは、いま話題の免疫チェックポイント阻害剤を、規定の量よりも大幅に少なく投与する。もし、強い副作用が出ても対応しない── こうした詐欺的ながん医療を行う、自 […]

歯医者の許されざるパワハラと狂言

「あなたは、この地区の歯科医師会や歯科衛生士会に関係するクリニックで、もう働けないことになりました。今日限りで、ここも辞めてもらいます」 勤務を終えたばかりの歯科衛生士の女性を呼びつけ、クリニックの院長は唐突にこのような通告をした。他のクリニックで新たに仕事をする時は、現在診ている患者を連れていく事は許さないと、付け加えたという。 女性は、パートタイムでこのクリニックに7年間も […]

がん検診を疑え

がんで著名人が亡くなったニュースには、「早期発見のために検診を受けましょう」という決まり文句が付いてくる。ではなぜ、毎年がん検診を受けていたのに、進行がんで見つかったという人が後を絶たないのだろう。       そんな疑問を抱いて、取材をしてみると、公的ながん検診として行われている「肺がんX線検査」(いわゆるレントゲン検診)では、約5割が進行がんで […]

もうすぐ日本では「入れ歯」を作れなくなる

ご老人の象徴のようなイメージを、入れ歯に抱く人も多い。 かくいう私も「入れ歯だけにはなりたくない」と思っていたが、映画「万引き家族」で、あの樹木希林さんが、入れ歯を外して演技したカットを見て、考えが変わった。 歯がないより、入れ歯を使った方が、外見上も健康面でも絶対に良い。     ただし、「入れ歯」にも、歯科業界が抱える歪みが反映されている。 「保険の入れ […]

「やってはいけない歯科治療」に対する〝歯医者の悪ふざけ〟

無責任な1回目のレビュー  新刊本を出版すると、取材先やメディア関係者に、お礼と本の紹介のお願いを兼ねて、「献本」するのが慣例だ。 今年5月30日に発刊となった、拙著「やってはいけない歯科治療」(※以下、本書)は、取材にご協力して下さった歯科関係者、新聞社、雑誌、テレビ、ウェブメディアの関係者に、版元の小学館編集部から送らせていただいた。 献本先に選んだ一人が、歯科医で実業家の […]

オウムが残した熾火

1960年代に生まれた私たちは「バブル世代」と言われることが多いが、同時に「オウム世代」とも重なる。小中学生の頃に話題になったのが、「ノストラダムスの大予言」、「コックリさん」、「口裂け女」。日常生活にオカルト的なものがあり、やがて世界の破滅が訪れる、という不安を当時の私たちは抱いていた。 二十代になると、同級生が未公開株で大儲けした、という類の話を耳にするようになる。浮かれた […]

「やってはいけない歯科治療」 重版のご報告

小学館新書として上梓した拙著が、版を重ねることができました。この場を借りて、お礼を申し上げます。また、本日発売の「週刊東洋経済」の新刊新書コーナーでもご紹介していただきました。 私としては4冊目にして、初の重版となったわけですが、無邪気に喜ぶことはできない心境です。 〝歯科業界に最も嫌われているジャーナリストが「歯医者のタブー」すべて書く!〟 拙著の帯には、こう記されています。 […]

こんなに危ない「ネットで歯医者選び」(週刊ポスト7月13日号)

新書「やってはいけない歯科治療」のスピンオフ企画・番外編は、インターネットを使った歯医者選びに待ち受ける「罠」について、書かせていただいた。 「患者の意向も聞かず、勝手に治療を進められた」「説明を求めたら、歯医者が露骨に不機嫌になった」「何度通っても症状が改善せず、結局は抜歯された」 歯医者通いで悩む中高年世代にとっての「あるある話」、患者の対応策としては、せいぜい歯医者を変え […]

歯医者のタブー「オカルト、詐欺商法、専門外の診断の実態」

新書「やってはいけない歯科治療」のスピンオフ企画として、短期集中連載の最終回は、私としては自身の不覚と向き合う内容です。 歯医者のタブー<モラルなき歯医者たち>[週刊ポスト2018.6.29号]・学会が明確に否定したホメオパシー治療を行う歯科医の存在・歯科医が「ガンが消えるサプリ」を広告していた珍事に批判 現在、歯科医の一部には、「スピリチュアル」もしくは「オカルト」的な治療を […]

「消された信仰〜最後のかくれキリシタン〜」不思議な人の縁について

小学館ノンフィクション大賞を受賞した、著者の広野真嗣さんを祝う会に、あの人が現れた。広野さんが10年以上もデータマンを務め、そして東京都知事時代も専門委員として支えた、猪瀬直樹氏である。   政治家としては評価が分かれるかもしれないが、ノンフィクション作家としては、傑出した作品を世に送り出した人だ。タブーだった天皇家と西武グループの関係を明らかにした「ミカドの肖像」は […]

週刊ポスト短期集中連載・歯医者のタブー 第2回「歯周病」

新書「やってはいけない歯科治療」のスピンオフ企画、第二回は「歯周病で歯を失う本当の理由」。歯周病は、細菌の感染で歯肉に炎症が起きて、歯を支えている〝骨が溶ける〟感染症です。進行すると、最悪の場合は抜歯しなければなりません。怖い歯周病ですが、基本治療は実にシンプル。歯周ポケット内に潜む細菌(バイオフィルム)の除去と、患者自身の口腔ケアです。それなのに、歯周病が日本人の抜歯原因・第 […]

週刊ポスト短期集中連載・歯医者のタブー 第1回「歯根破折」

5月30日から書店に並んでいる拙著「やってはいけない歯科治療」と連動させた記事を書きました。今回のテーマは、日本人の抜歯原因・第3位の「歯根破折」。レントゲン画像をご覧いただくと、歯根が「縦」方向に割れているのが分かると思います。大半の歯科医は即座に「抜歯」を勧めるケースです。 50年以上も「歯根破折」の治療を研究している、歯科医・眞坂信夫氏によると、主な原因は「メタルコア&ポ […]